E-WA's Tumblr

ねことペンギンとヒコーキとおバカと、ひょっとしたら有用なものを少々。

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“ 以前は京都のぶぶづけやらすき焼きやらの話怖くてしょうがなかったけど『京都は人づきあいでヘマしてもせいぜい嫌味言われるか年よりの茶飲みのネタにされるくらいだけど、田舎の農村だとガチで水止められたりするから京都人は優しくて親切』というRTを見て以来、見方が180度変わった ”

—    Twitter / dogurin (via katoyuu)

(tomo-himajinから)

夫の単身赴任で自分が一人暮らしだった頃、
近所のとある外飼い猫♂に異様になつかれた。
高価そうな首輪をした子猫だったが、エサもやらない我が家に、
夜毎に来ては爆睡していった。

そんなある冬、泊まりがけの出張中に予想外の大雪が。
猫が心配で心配で、大急ぎで家を目指した。


家に着いたのは薄暮れ時、ドアノブは氷のように冷たい。
向こうに待つのは、一人きりの暗い部屋・・・
「猫は」と見回したら、早くも「にゃ」と後ろで待っていた。
地面の雪に、一直線の足跡。

撫でようと伸ばす手を待ちきれないかのように、
猫は目一杯伸び上がって手のひらに頭をゴッチンスリスリ。
不意に幼児の姿が浮かんだ。
「おかーさん帰ってきた」と、つないだ温かい手を嬉しくてブンブンする幼児。
「子供、いいかもなぁ」何かがフッと灯ったように感じた。

選択小梨夫婦だったのだが、
夫に「子供をもってみないか」と相談してみた。そこから亀裂は始まった。
夫は「契約違反だ、そんな人間は信用できない」と。
休まず働き続けて家に収入を入れる条件だったと。
私は、件の猫を連れて家を出ることになった。
猫も成猫となって、飼い主の引越しに置き去りにされたのだ。

一人と一匹の暮らしはうっすら温かで、この大柄な猫はとても賢く優しく、
決して私に怪我をさせなかった。
しかし外飼い時代に猫白血病と猫エイズに感染しており、
そう長くは生きなかった。

猫を送った頃には、私もさらに年齢を重ねていた。
「ああ、また一人だ。これからも、多分」そう思った。
薄暮れの道を、一人で歩いていくのだ、と。

その頃、動物好きな今の夫と出会った。
望外の妊娠。夫は「おお、生き物が増える」と素朴に喜んだ。
無事に息子が生まれ、夫がつけた名前は、さきの猫の名とよく似ていた。
(例えば、猫「タマ」息子「タクマ」のような)
夫は猫の名前までは知らず「画数で」と言ったが。

タクマはもう幼稚園児になった。
お迎えにいくと「おかーさん」と大きな体で腕にぶらさがってくる。
先生によると、タクマはお友達にも決して乱暴せず、
誰かが泣いているとそっとついててあげるそうだ。

タクマがタマの生まれ変わりというのは無理があるし、
そうすると不思議な話でも何でもないのだが
薄暮れの道に「にゃ」と現れた温いものが人生を変えた、
猫の日に間に合わなかったが、そんな話を。

“ 「真のバカでも使えるものを設計しようとして人々がよくやるミスは、真のバカのバカさ加減を過小評価することだ」
--Douglas Adams ”